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相続登記をしないと過料10万円?いつから・誰が対象になるのか司法書士が解説

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相続登記をしないと過料10万円?いつから・誰が対象になるのか司法書士が解説

相続登記をしないと過料10万円?いつから・誰が対象になるのか司法書士が解説

2026/05/18

相続登記をしないと過料10万円?いつから・誰が対象になるのか司法書士が解説

親や配偶者が亡くなり、不動産を相続した場合、相続登記をしなければなりません。

以前は、相続登記をしないまま放置していても、直ちに罰則があるわけではありませんでした。
しかし、令和6年4月1日から相続登記が義務化され、正当な理由がないのに相続登記をしない場合には、10万円以下の過料が科される可能性があります。法務省も、相続人は不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をする必要があり、正当な理由なく登記をしない場合には10万円以下の過料が科される可能性があると説明しています。

この記事では、相続登記の過料について、司法書士の視点からわかりやすく解説します。

 

相続登記の過料は「必ず10万円」ではありません

まず誤解されやすい点ですが、相続登記をしなかった場合に、必ず10万円を支払うことになるわけではありません。

制度上は、10万円以下の過料です。
つまり、上限が10万円という意味であり、実際に過料が科されるかどうか、また金額がいくらになるかは、最終的には裁判所が判断します。法務省のQ&Aでも、過料は10万円以下の範囲内で裁判所が決定するとされています。

また、ここでいう過料は、刑罰としての罰金ではありません。
前科が付くようなものではありませんが、法律上の義務違反に対する制裁であることに変わりはありません。

 

いつまでに相続登記をすればよいのか

相続登記の期限は、原則として、


不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内
 

です。

 

たとえば、父が亡くなり、父名義の自宅土地建物を相続することを知った場合には、その日から3年以内に相続登記をする必要があります。

 

また、遺産分割協議によって不動産を取得した場合には、
遺産分割の日から3年以内に、その遺産分割の内容に基づく登記をする必要があります。

 

令和6年4月1日より前の相続も対象になります

注意が必要なのは、相続登記の義務化が始まる前に発生した相続も対象になることです。

令和6年4月1日より前に相続した不動産であっても、まだ相続登記をしていない場合には、義務化の対象になります。
この場合は、原則として、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。法務省も、令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産については、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があると説明しています。

つまり、かなり昔に亡くなった親や祖父母名義の不動産であっても、未登記のままになっている場合には、今から対応が必要です。

 

過料の対象になるのはどのような場合か

過料の対象になるのは、簡単にいうと、次のような場合です。

不動産を相続で取得したことを知っているにもかかわらず、正当な理由なく、期限内に相続登記をしなかった場合です。

令和6年4月1日以降に相続で不動産を取得したことを知った場合には、その日から3年以内に相続登記をしないと、過料の対象となる可能性があります。
また、遺産分割で不動産を取得した場合には、遺産分割の日から3年以内に、その内容に基づく登記をしないと、過料の対象となる可能性があります。

 

期限を過ぎたらすぐに過料になるのか

期限を過ぎたからといって、直ちに自動的に過料が科されるわけではありません。

法務省の説明では、登記官が義務違反を把握した場合、まず義務違反者に対して登記をするよう催告をします。
その催告書に記載された期限内に登記がされない場合、登記官が裁判所に通知し、裁判所が過料を科するかどうかを判断する流れとされています。

 

したがって、制度上は、
「期限経過」
→「即10万円」
という単純な仕組みではありません。

 

もっとも、だからといって放置してよいわけではありません。
相続登記を放置すると、次の相続が発生して相続人が増えたり、必要な戸籍の収集が難しくなったり、不動産の売却ができなくなったりする可能性があります。

 

「正当な理由」があれば過料が科されない場合もある

相続登記をしないことについて正当な理由がある場合には、過料が科されないことがあります。

法務省は、正当な理由の例として、次のような事情を挙げています。

 

  • 相続人が極めて多数で、戸籍収集や相続人の把握に時間がかかる場合
  • 遺言の有効性や遺産の範囲などについて争いがある場合
  • 登記義務を負う人に重病などの事情がある場合
  • DV被害などにより避難を余儀なくされている場合
  • 経済的に困窮しており、登記費用を負担できない場合
  •  

ただし、「面倒だから」「費用がもったいないから」「家族で話し合っていないから」というだけでは、正当な理由として認められるとは限りません。

 

遺産分割がまとまらない場合はどうすればよいか

相続登記をしたくても、相続人同士の話し合いがまとまらないことがあります。

そのような場合には、必ずしも最終的な遺産分割協議がまとまるまで何もできないわけではありません。
相続登記の義務を果たすための簡易な方法として、相続人申告登記という制度があります。

相続人申告登記は、自分が登記簿上の所有者の相続人であることなどを法務局に申し出る制度です。法務省は、期限内にこの申出をすることで、相続登記の義務を履行できる制度であり、特定の相続人が単独で申し出ることもできると説明しています。

ただし、相続人申告登記は、最終的な権利関係を確定させる登記ではありません
不動産を売却したり、担保を設定したりする場合には、原則として、正式な相続登記が必要になります。

 

相続登記を放置するデメリット

相続登記を放置すると、過料の問題だけでなく、実務上もさまざまな不都合が生じます。

たとえば、次のような問題です。

 

  • 不動産を売却できない
  • 相続人がさらに亡くなり、関係者が増える
  • 遺産分割協議がまとまりにくくなる
  • 必要な戸籍の収集が大変になる
  • 空き家や土地の管理責任があいまいになる
  • 将来の子や孫に問題を先送りすることになる
  •  

特に、何十年も前の名義のままになっている不動産では、相続人が甥姪やさらに次の世代まで広がっていることがあります。
この場合、相続登記をするために多数の相続人の協力が必要になり、手続きが非常に複雑になることがあります。

 

早めに司法書士へ相談した方がよいケース

次のような場合には、早めに司法書士へ相談することをおすすめします。

 

  • 親や祖父母名義のままの不動産がある
  • 相続人が多い
  • 兄弟姉妹や甥姪が相続人になる
  • 遺産分割協議書の作り方がわからない
  • 戸籍の集め方がわからない
  • 相続人の中に連絡が取れない人がいる
  • 相続した不動産を売却する予定がある
  • 空き家の名義変更をしたい
  • 令和9年3月31日の期限が気になっている
  •  

相続登記は、単に登記申請書を出せば終わる手続きではありません。
戸籍収集、相続人の確定、遺産分割協議書の作成、不動産の評価、登録免許税の計算など、事前に確認すべきことが多くあります。

 

まとめ

相続登記は、令和6年4月1日から義務化されました。
不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をしない場合、正当な理由がなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。

ただし、過料は必ず10万円という意味ではなく、期限を過ぎたら直ちに自動的に科されるものでもありません。
とはいえ、相続登記を放置すると、相続人が増えたり、売却ができなくなったり、将来の手続きが複雑になるおそれがあります。

相続した不動産の名義変更がまだ終わっていない場合は、早めに司法書士へ相談することをおすすめします。

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