遺言書と生前対策は、残される方の負担を減らすための準備です
HERITAGE
遺言書や生前対策は、「財産を誰に渡すか」を決めるだけのものではありません。
残される配偶者や家族が困らないように、将来起こりそうな問題をあらかじめ整理しておくための準備です。
相続が発生してからでは、亡くなった方の意思を確認することはできません。
そのため、相続人同士で話し合いをしようとしても、不動産の分け方、預貯金の扱い、介護をしていた方への配慮、前婚の子との関係などで、思わぬトラブルになることがあります。
特に、再婚家庭、後妻と前妻の子がいる場合、子どもがいない夫婦、おひとり様、不動産が主な財産の場合は、生前に整理しておくことで、残される方の負担を大きく減らせる可能性があります。
実際には、ご本人よりも、配偶者やお子様、甥・姪など周囲の方が「今のうちに遺言書を書いておいてほしい」と感じていることも少なくありません。
しかし、ご本人は「まだ元気だから大丈夫」「そのうち考える」と思っていることが多いものです。
だからこそ、いきなり遺言書を作るかどうかを決めるのではなく、まずは家族関係、財産の内容、不動産の名義、将来問題になりそうな点を整理することが大切です。
中野司法書士事務所では、杉並区・高円寺を中心に、公正証書遺言、生前贈与、家族信託、相続前の財産整理など、生前対策に関するご相談をお受けしています。
「今すぐ遺言書を作るべきか分からない」
「親や配偶者に、遺言書の必要性をどう伝えればよいか分からない」
「将来、相続で揉めそうな事情がある」
そのような段階でも構いません。
相続が起きてから困る前に、まずは何が問題になりそうかを一緒に整理しましょう。
公正証書遺言
遺言書にはいくつかの種類がありますが、確実性を重視する場合には、公正証書遺言をおすすめすることが多いです。
公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言書です。
形式面での不備が生じにくく、原本が公証役場で保管されるため、相続発生後に遺言書が見つからない、破棄される、内容が読めないといったリスクを減らすことができます。
遺言書を作成しておけば、相続人全員で遺産分割協議をしなくても、遺言書の内容に従って不動産の名義変更や預貯金の手続きを進められる場合があります。
特に、不動産を特定の人に残したい場合、配偶者に自宅を残したい場合、前婚の子がいる場合、相続人以外の人に財産を渡したい場合には、遺言書の有無で手続きの進めやすさが大きく変わります。
ただし、遺言書は、ただ財産の分け方を書けばよいというものではありません。
遺留分、相続人の関係、不動産の評価、将来の売却可能性、預貯金の割合、残される方の生活などを考えながら内容を決める必要があります。
当事務所では、遺言内容の整理、必要書類の確認、公証役場とのやり取り、証人の手配、当日の流れの説明までサポートします。
「何を書けばよいか分からない」
「配偶者に自宅を残したい」
「子どもたちが揉めないようにしておきたい」
「前妻の子と現在の配偶者の間で、相続後に困らないようにしたい」
そのような方は、公正証書遺言の作成をご検討ください。
生前贈与
生前贈与は、元気なうちに財産を移しておく方法の一つです。
たとえば、親から子へ不動産を贈与する、夫婦間で不動産の持分を移す、将来の相続に備えて一部の財産を先に渡しておく、というようなケースがあります。
生前贈与のメリットは、ご本人の意思がはっきりしているうちに、財産の移転を実行できることです。
相続が発生してから話し合うのではなく、生前に名義を整理しておくことで、将来の相続手続きを簡単にできる場合があります。
一方で、生前贈与は注意点も多い手続きです。
贈与税、不動産取得税、登録免許税、将来の相続税、特別受益、遺留分への影響など、税務面・相続面の確認が必要になることがあります。
「相続対策のつもりで贈与したのに、税金が高くなった」「他の相続人との関係で後から問題になった」ということは避けなければなりません。
司法書士は税務判断を行う立場ではありませんが、不動産の贈与登記や名義変更の手続きでは、税理士と連携しながら進めるべき場面があります。
当事務所では、生前贈与による不動産の名義変更について、登記手続きだけでなく、将来の相続への影響も意識しながら進めます。
「親が元気なうちに不動産を子どもへ移したい」
「夫婦間で自宅の持分を整理したい」
「相続でもめないよう、生前に一部の財産を渡しておきたい」
そのような場合は、贈与契約書の作成、不動産登記、税理士への確認が必要かどうかも含めてご相談ください。
家族信託(民事信託)
高齢の親が不動産を所有している場合、将来、認知症などにより判断能力が低下すると、不動産の売却や管理が難しくなることがあります。
たとえば、施設入所費用のために自宅を売却したいと思っても、所有者本人の判断能力が低下していると、簡単には売却できない場合があります。
このような将来の不安に備える方法の一つが、家族信託(民事信託)です。
家族信託は、信頼できる家族に財産の管理や処分を任せる仕組みです。
不動産を信託する場合には、信託契約の内容を整理し、信託による所有権移転登記などの手続きが必要になります。
家族信託を利用することで、将来、親の判断能力が低下した場合でも、あらかじめ定めた目的の範囲内で、不動産の管理や売却を進めやすくなることがあります。
ただし、家族信託は万能の制度ではありません。
家族関係、財産の内容、将来の売却予定、税務、成年後見制度との関係、受託者となる家族の負担などを慎重に検討する必要があります。
目的があいまいなまま信託契約を作ってしまうと、かえって複雑な仕組みになってしまうこともあります。
当事務所では、家族信託を安易におすすめするのではなく、目的が明確な場合に、信託契約と不動産登記の流れを整理します。
必要に応じて、税理士や他の専門家とも連携しながら、ご家族にとって無理のない方法を検討します。
「親が元気なうちに、自宅の管理や売却に備えたい」
「将来、施設費用のために不動産を売却する可能性がある」
「成年後見以外の方法も検討したい」
そのような方は、家族信託が本当に適しているかどうかも含めてご相談ください。
子どもがいない夫婦・おひとり様・再婚家庭の生前対策
生前対策が特に重要になるのは、家族関係が少し複雑な場合です。
たとえば、再婚していて、現在の配偶者と前婚の子がいる場合。
いわゆる「後妻と前妻の子」の相続では、相続発生後に直接話し合いをしなければならないことがあります。
現在の配偶者としては、長年一緒に暮らしてきた自宅や生活資金を守りたい。
前婚の子としては、自分にも相続権があると考える。
どちらの立場にも言い分があり、相続が発生してから初めて話し合うと、感情的な負担が大きくなることがあります。
このような場合、遺言書を作成しておくことで、誰にどの財産を残すのかを明確にできます。
さらに、付言事項でご本人の気持ちを残しておくことで、残された方が受け止めやすくなる場合もあります。
子どもがいないご夫婦も注意が必要です。
配偶者だけが相続人になると思っていても、実際には亡くなった方の兄弟姉妹や甥・姪が相続人になることがあります。
遺言書がなければ、残された配偶者が、普段付き合いのない親族と遺産分割協議をしなければならないこともあります。
おひとり様の場合は、誰が相続手続きをするのか、財産を誰に渡すのか、葬儀や死後の手続きを誰に任せるのかを考えておく必要があります。
生前対策は、ご本人だけのためではありません。
むしろ、残される配偶者や家族を守るための準備でもあります。
実際には、現在の配偶者やご家族から「本人に遺言書を書いてほしい」「今のうちに相続対策をしておきたい」というご相談を受けることもあります。
もちろん、遺言書や生前対策は、ご本人の意思が何より重要です。
周囲の方が一方的に進めることはできません。
しかし、どのような問題が起こりそうかを整理し、ご本人に分かりやすく伝えることで、生前対策を考えるきっかけになることがあります。
「後妻と前妻の子の間で、将来もめないか心配」
「子どもがいないので、配偶者に自宅を残したい」
「おひとり様で、自分の死後の手続きが不安」
「再婚家庭なので、誰に何を残すべきか整理したい」
そのような場合は、早めにご相談ください。
相続が発生してからではなく、元気なうちに準備することで、残される方の負担を大きく減らせる場合があります。
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