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なぜ「平成22年10月5日」が重要?―住基ネットで住所変更を追える期間と戸籍の附票

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なぜ「平成22年10月5日」が重要?―住基ネットで住所変更を追える期間と戸籍の附票

なぜ「平成22年10月5日」が重要?―住基ネットで住所変更を追える期間と戸籍の附票

2026/09/04

前回は、登記簿上の住所が古いままでも、検索用情報の単独申出には申出日現在の住所を申し出ること、そして、登記簿上の古い住所から現在の住所までのつながりを住基ネットで確認できれば、戸籍の附票等を提出しなくてもよい場合があることを確認しました。

では、住基ネットでは何年前の住所変更まで確認できるのでしょうか。

「検索用情報の申出に関する質疑事項集」の問32には、その一つの重要な目安として、

平成22年10月5日

という日付が出てきます。

なぜ、この日なのでしょうか。

平成22年10月5日は、住所等変更登記の義務化が始まった日でも、検索用情報の申出が始まった日でもありません。

この日が重要になるのは、住基ネット情報の保存期間が平成27年10月5日から、消除後「5年」から「150年」に延長されたことと関係しています。

ただし、「平成22年10月5日より前なら戸籍の附票が必ず必要」という単純な話でもありません。

今回の記事では、平成14年8月5日、平成22年10月5日、平成27年10月5日という3つの日付と、質疑事項集問32に示された3つの具体例から、この仕組みを整理します。

※本記事は令和8年9月現在の制度を中心に説明しています。令和8年10月5日から検索用情報に「国籍等」が追加されるなどの改正が施行されますが、今回取り上げる住基ネットによる過去の氏名・住所の確認とは別の論点であるため、詳細は別記事で扱います。

 

なぜ「平成22年10月5日」なのか?

まず、日付の関係を単純化すると、こうなります。

平成27年10月5日 − 5年 = 平成22年10月5日

質疑事項集問32によれば、住基ネット情報の保存期間は、平成27年10月5日から、消除後「5年」から「150年」に延長されました。

それまでの保存期間が消除後5年だったため、平成27年10月5日の時点で考えると、その5年前に当たるのが平成22年10月5日です。

そのため、質疑事項集では、

変更の日が平成22年10月5日以降であれば、通常、戸籍の附票等の書類の提出は不要

とされています。

現在の法務省の「検索用情報の申出に関するQ&A」でも、変更日が平成22年10月5日以降であれば、原則として書類の提出は不要と案内されています。

もっとも、同Q&Aは、平成22年10月5日以降の変更であっても、登記簿に記録されている住所・氏名とのつながりが確認できない場合には、追加で書類の提出を求める場合があるとしています。

また、質疑事項集も、住所地の市町村の住基ネット接続日等によって異なり得るとしています。

したがって、平成22年10月5日は、法令上「この日から先なら必ず確認できる」と定められた絶対的な基準日ではありません。

住基ネットで住所・氏名のつながりを確認できるかを考える際の、重要な実務上の目安です。

 

平成27年10月5日―保存期間が「5年」から「150年」へ

ここで、「150年保存」という言葉にも注意が必要です。

「150年」と聞くと、

住基ネットを使えば150年前の住所まで全部調べられる

ようにも聞こえます。

 

しかし、そのような意味ではありません。

質疑事項集が説明しているのは、住基ネット情報の保存期間が、

消除後5年

消除後150年

に延長されたということです。

 

重要なのは、

「過去150年分の住所履歴が一律に保存されている」という意味ではない

という点です。

いつ情報が変更されたのか、消除を伴う変更なのか、どのような変更だったのかなどによって、住基ネットで確認できる範囲は変わり得ます。

 

問32で重要なのは「消除日」

さらに重要なのが、質疑事項集問32の説明です。

問32は、この保存期間について、

「保存期間の起算点は消除日」

としています。

したがって、単純に、

「住所を変更した日から150年間保存される」

と理解するのは正確ではありません。

 

今回の記事で特に理解しておきたいのは、質疑事項集が、

  • 市町村をまたぐ転居
  • 同一市町村内での転居
  • 氏名変更

同じようには扱っていないという点です。

質疑事項集は、同一市町村内での転居や氏名変更を「消除を伴わないもの」として挙げています。

この違いが、平成22年10月5日より前の変更について大きな意味を持ってきます。

 

平成22年10月5日より前でも、戸籍の附票等が不要な場合がある

質疑事項集問32では、保存期間の起算点が消除日であることから、

同一市町村内での転居氏名変更のように消除を伴わない変更

については、平成22年10月5日より前の変更であっても、

平成14年8月5日より後の変更であれば、戸籍の附票等の提出が不要となる場合がある

としています。

 

したがって、

平成22年10月5日より前の変更
= 戸籍の附票等が必ず必要

ではありません。

ここが今回の重要なポイントです。

 

平成14年8月5日―住基ネットの稼働日

では、なぜ今度は、

平成14年8月5日

という日付が出てくるのでしょうか。

質疑事項集問32は、この日を「住基ネット稼働日」としています。

そのため、同一市町村内での転居や氏名変更のように消除を伴わない変更については、

平成14年8月5日より後の変更であれば、平成22年10月5日より前でも、書類の提出が不要となる場合がある

とされています。

ただし、ここでも全国一律に判断できるわけではありません。

質疑事項集は、住所地の市町村の住基ネット接続日等によって異なり得るとしています。

 

3つの日付を整理すると

ここまで出てきた3つの日付を整理してみます。

 

日付 今回の記事での意味
平成14年8月5日 質疑事項集が示す住基ネット稼働日
平成22年10月5日

平成27年10月5日の5年前。

消除後5年保存との関係から生じる実務上の重要な目安 

平成27年10月5日 

住基ネット情報の保存期間が

消除後5年から150年へ延長された日

 

特に注意したいのが、平成22年10月5日は法令で設定された絶対的な境界線ではないということです。

質疑事項集問32から導かれる、一つの実務上の目安です。

では、実際にどのように判断するのでしょうか。

質疑事項集には、非常に分かりやすい3つの具体例が掲載されています。

 

質疑事項集の3つのケースで確認する

ケース① 平成22年10月5日をまたいで市町村を転居した場合

まず、次のケースです。

平成22年9月30日 A市を転出し、B市へ転入
平成22年10月10日 B市を転出し、C市へ転入
平成27年10月10日 C市を転出し、D市へ転入

 

時間の流れで見ると、

 

平成22年9月30日 A市 → B市
  ↓
平成22年10月5日 重要な目安
  ↓
平成22年10月10日 B市 → C市
  ↓
平成27年10月10日 C市 → D市

 

となります。

質疑事項集の結論は、

通常、登記簿上の住所がA市の場合には、A市からB市への住所変更を証する書類の提出が必要

です。

一方で、登記簿上の住所が、

B市、C市、D市

のいずれかであれば、通常、書類の提出は不要とされています。

A市からB市への転居は平成22年9月30日で、平成22年10月5日より前です。

一方、B市からC市への転居は平成22年10月10日で、この目安より後です。

質疑事項集は、平成27年10月5日に保存期間が消除後5年から150年へ延長されたことから、変更の日が平成22年10月5日以降であれば通常書類不要という整理をしています。

このケースは、その考え方を具体的に示したものです。

 

ただし、ここでも、

「A市なら必ず書類が必要」

と断定してはいけません。

質疑事項集の表現はあくまで「通常」です。

市町村の住基ネット接続日等によって異なり得るためです。

 

ケース② 平成15年に同じ市内で転居していた場合

次は少し違います。

平成15年10月10日 A市X町からA市Y町へ転居
平成22年10月10日 A市を転出し、B市へ転入
平成27年10月10日 B市を転出し、C市へ転入

最初の転居は、平成15年です。

平成22年10月5日より7年も前です。

それなら、A市X町が登記簿に載っていた場合には、戸籍の附票等が必要になるようにも思えます。

ところが、質疑事項集の結論は違います。

通常、登記簿上の住所がA市X町、A市Y町、B市、C市のいずれであっても書類の提出は不要

とされています。

A市X町からA市Y町への転居は、同じA市の中での転居です。

質疑事項集は、同一市町村内での転居を「消除を伴わないもの」として挙げています。

そして、この変更は平成15年10月10日で、質疑事項集が住基ネット稼働日としている平成14年8月5日より後です。

そのため、問32では、登記簿上の住所がA市X町であっても通常は書類不要という結論が示されています。

このケースを見ると、

「平成22年10月5日」という日付だけを見て機械的に判断できない

ことがよく分かります。

 

ケース③ 平成10年と平成15年に氏名を変更していた場合

3つ目は、住所ではなく氏名変更です。

平成10年10月10日 氏名を甲某から乙某へ変更
平成15年10月10日 氏名を乙某から丙某へ変更
平成22年10月10日 A市からB市へ転居
平成27年10月10日 B市からC市へ転居

質疑事項集の結論は、

通常、登記簿上の氏名が「甲某」である場合には、甲某から乙某への氏名変更を証する書類の提出が必要

です。

一方、

登記簿上の氏名が「乙某」「丙某」である場合には、通常、書類の提出は不要

とされています。

ここでは平成14年8月5日が重要になります。

最初の、

甲某 → 乙某

という氏名変更は平成10年10月10日です。

これは、質疑事項集が住基ネット稼働日としている平成14年8月5日より前です。

そのため、問32では、登記簿上の氏名が甲某である場合には、通常、甲某から乙某への変更を証する書類が必要という結論が示されています。

一方、

乙某 → 丙某

という2回目の氏名変更は平成15年10月10日です。

これは平成14年8月5日より後です。

氏名変更は、問32がいう「消除を伴わないもの」です。

そのため、登記簿上の氏名が乙某または丙某である場合には、通常、書類の提出は不要という整理になります。

ここでも、

「氏名変更だから必ず戸籍が必要」

というわけではありません。

 

3つのケースを比較すると

3つのケースを簡略化すると、次のようになります。

 

ケース 古い変更 ポイント 質疑事項集の通常の結論
① 市町村間転居 H22.9.30 A市→B市 H22.10.5より前の市町村間転居

登記簿A市なら、

通常A市→B市を証する書類が必要 

② 同一市内転居 H15.10.10 A市X町→A市Y町  消除を伴わない変更・H14.8.5後  A市X町からでも通常書類不要
③ 氏名変更

H10 甲→乙

、H15 乙→丙

氏名変更は消除を伴わないが、

最初の変更は住基ネット稼働前

登記簿甲なら通常、

甲→乙を証する書類が必要

 

この3つを並べると、判断のポイントが見えてきます。

単に、

「変更が平成22年10月5日より前か後か」

だけではありません。

変更の種類は何か
消除を伴うものか
平成14年8月5日の前か後か

まで考える必要があります。

そして、実際の要否については、住所地の市町村の住基ネット接続日等による違いも考慮する必要があります。

 

「平成22年10月5日」は絶対的な境界線ではない

ここまでを整理すると、平成22年10月5日は非常に重要な日付ですが、絶対的な線引きではありません。

質疑事項集問32は、

変更の日が平成22年10月5日以降であれば「通常」書類不要

としています。

現在の法務省公式Q&Aも、

変更日が平成22年10月5日以降であれば「原則として」書類不要

と案内しています。

もっとも、公式Q&Aは、同日以降の変更であっても、登記簿に記録されている住所・氏名とのつながりを確認できない場合には、追加で書類の提出を求める場合があるとしています。

さらに質疑事項集では、

  • 住所地の市町村の住基ネット接続日等によって異なり得る
  • 同一市町村内の転居や氏名変更では、平成22年10月5日より前でも書類不要となる場合がある
  • 具体例にも例外があり得る

とされています。

 

したがって、

平成22年10月5日以前なら必ず戸籍の附票が必要

でも、

平成22年10月5日以降なら絶対に戸籍の附票は不要

でもありません。

この点は、質疑事項集の「通常」「場合がある」「異なり得る」「例外もあり得る」という限定と、現在の法務省公式Q&Aの「原則として」という表現をそのまま受け止める必要があります。

 

まとめ―3つの日付を押さえると住基ネットの仕組みが見えてくる

今回のポイントを整理します。

まず、平成22年10月5日は、検索用情報制度や住所等変更登記義務化が始まった日ではありません。

この日が重要になるのは、平成27年10月5日に住基ネット情報の保存期間が消除後5年から150年へ延長されたことと関係しています。

平成27年10月5日の5年前が、

平成22年10月5日

です。

そのため質疑事項集では、変更の日が平成22年10月5日以降であれば、通常、戸籍の附票等の提出は不要とされています。現在の法務省公式Q&Aも、「原則として」不要と案内しています。

しかし、問32の説明では、保存期間を考える上で重要なのは消除日です。

同一市町村内の転居氏名変更は、質疑事項集では「消除を伴わないもの」とされています。

そのため、このような変更については、平成22年10月5日より前でも、質疑事項集が住基ネット稼働日としている平成14年8月5日より後であれば、戸籍の附票等が不要となる場合があります。

つまり、重要な3つの日付は、

平成14年8月5日 住基ネット稼働日
平成22年10月5日 実務上の重要な目安
平成27年10月5日 保存期間が消除後5年から150年へ延長

という関係になります。

ただし、これは全国一律の機械的な線引きではありません。

質疑事項集自身が、市町村の住基ネット接続日等によって異なり得ることや、具体例にも例外があり得ることを明記しています。

では、住基ネットで確認できないため戸籍の附票等が必要となった場合を含め、実際に検索用情報単独申出をするときには何を用意すればよいのでしょうか。

マイナンバーカードや運転免許証はどのように使うのか。

郵送でも申し出られるのか。

管轄の異なる法務局に複数の不動産を持っている場合にはどうなるのか。

司法書士に代理を依頼することはできるのか。

次回は、「検索用情報の単独申出には何を用意する?―本人確認書類・郵送・オンライン・司法書士代理」をテーマに、単独申出の具体的な方法と必要書類を詳しく確認します。

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