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相続税申告は必要?相続税がかからなくても確認すべき相続手続を司法書士が解説

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相続税申告は必要?相続税がかからなくても確認すべき相続手続を司法書士が解説

相続税申告は必要?相続税がかからなくても確認すべき相続手続を司法書士が解説

2026/07/09

相続が発生したとき、多くの方が最初に気にするのは「相続税はかかるのか」という点です。

 

「それほど大きな財産はないけれど、相続税申告は必要なのか」
「税務署から連絡が来るのか」
「申告しないといけないのに、何もしないまま期限を過ぎたらどうなるのか」

 

このような不安を持つ方は少なくありません。

相続税申告が必要かどうかを確認することは大切です。
相続税には申告期限があり、申告が必要な場合には、原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に手続を行う必要があります。

 

ただし、相続税がかからない場合でも、相続手続がすべて終わるわけではありません。

 

亡くなった方名義の不動産がある場合には、相続登記が必要になることがあります。
預貯金の解約、遺産分割協議書の作成、株式や投資信託の手続などが残ることもあります。

 

相続税申告は「税金の手続」です。
相続登記や遺産分割は「財産を誰が引き継ぐかを整理する手続」です。

この記事では、相続税申告が必要になる基本的な考え方と、相続税がかからない場合でも確認すべき相続手続について、司法書士の視点から解説します。

 

目次

  1. 相続が起きたら、相続税申告が必要か確認しましょう
  2. 相続税がかかるかどうかは基礎控除で確認します
  3. 相続税申告の期限は10か月以内です
  4. 相続税が0円でも申告が必要になることがあります
  5. 相続税申告には財産と債務の確認が必要です
  6. 相続税がかからなくても、相続手続は終わりません
  7. 不動産がある場合は相続登記の義務化にも注意
  8. 税理士と司法書士、どちらに相談すべきか
  9. 相続税申告が必要か分からない段階で相談してよいか
  10. FAQ
  11. まとめ

 

相続が起きたら、相続税申告が必要か確認しましょう

相続と聞くと、多くの方が「相続税」を思い浮かべます。

たしかに、相続税申告が必要かどうかの確認は大切です。
申告が必要な場合には期限がありますし、期限までに申告や納税をしないと、加算税や延滞税が問題になることがあります。

一方で、相続税は、遺産が少しでもあれば必ずかかる税金ではありません。

相続税には基礎控除があります。
遺産の額が基礎控除の範囲内であれば、原則として相続税はかかりません。

そのため、相続が起きたときには、感覚だけで「税金がかかりそう」「うちは関係なさそう」と判断するのではなく、相続財産の内容と相続人の人数を確認することが出発点になります。

 

相続税がかかるかどうかは基礎控除で確認します

相続税がかかるかどうかを考えるとき、最初に確認するのが基礎控除です。

相続税の基礎控除は、次の計算式で求めます。

 

3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

たとえば、法定相続人の人数ごとに見ると、基礎控除額は次のようになります。

 

法定相続人の数   基礎控除額    
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円

 

相続財産の課税価格の合計額が、この基礎控除額を超える場合には、相続税申告が必要になる可能性があります。

 

ここで注意したいのは、相続財産には預貯金だけでなく、不動産、有価証券、生命保険金、死亡退職金なども関係することがある点です。

特に不動産がある場合、固定資産税評価額や売買価格をそのまま見れば足りるとは限りません。
相続税申告では、税務上の評価が必要になります。

相続税がかかるかどうかの判断に迷う場合は、早めに税理士へ確認することをおすすめします。

 

相続税申告の期限は10か月以内です

相続税申告が必要な場合、申告期限は原則として、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

通常は、亡くなった日の翌日から10か月以内と考えることが多いです。

 

申告先は、相続人の住所地を管轄する税務署ではありません。
原則として、亡くなった方の死亡時の住所地を所轄する税務署です。

 

たとえば、亡くなった方が東京都杉並区に住んでいて、相続人が神奈川県や埼玉県に住んでいる場合でも、申告先は相続人の住所地ではなく、亡くなった方の最後の住所地を基準に考えます。

 

10か月と聞くと、時間があるように感じるかもしれません。

しかし、実際にはその間に、次のような確認が必要になります。

 

  • 相続人の確認
  • 戸籍の収集
  • 遺言書の有無の確認
  • 相続財産の調査
  • 借入金や未払金など債務の確認
  • 葬儀費用の整理
  • 遺産分割協議
  • 税理士への相談
  • 相続税申告書の作成

 

相続人が複数いる場合や、不動産がある場合、遺産分割協議がまとまらない場合には、10か月は決して長い期間ではありません。

 

相続税が0円でも申告が必要になることがあります

相続税について、誤解されやすい点があります。

それは、最終的に相続税が0円になる場合でも、申告が必要になることがあるという点です。

代表的なものとして、次のような制度があります。

 

  • 配偶者の税額軽減
  • 小規模宅地等の特例

 

これらの特例を使うことで、結果として相続税がかからない場合があります。

 

ただし、特例の適用を受けるために相続税申告が必要になることがあります。

 

「税金が出ないから申告不要」と自己判断すると、必要な手続を見落とす可能性があります。

特例の適用には細かい要件があります。
適用できるかどうか、申告が必要かどうかは、相続税に詳しい税理士に確認した方が安全です。

司法書士は、相続登記や遺産分割協議書の作成を扱いますが、相続税の税額計算や特例適用の判断は税理士の専門分野です。

 

相続税申告には財産と債務の確認が必要です

相続税申告が必要かどうかを判断するには、相続財産を整理する必要があります。

確認する主な財産には、次のようなものがあります。

 

  • 現金
  • 預貯金
  • 不動産
  • 株式
  • 投資信託
  • 生命保険金
  • 死亡退職金
  • 貸付金
  • 未収金
  • 自動車
  • 貴金属
  • 事業用財産

 

一方で、債務や葬儀費用も確認します。

 

  • 借入金
  • 未払医療費
  • 未払税金
  • 未払施設利用料
  • 葬儀費用

 

相続税の確認では、プラスの財産だけを見るのではなく、債務や葬儀費用も含めて整理します。

 

また、生前贈与がある場合には、相続税の計算に影響することがあります。

 

過去の贈与や名義預金が問題になるケースもあります。

 

このあたりは、一般の方が自分だけで判断するには難しい部分です。

 

相続税がかからなくても、相続手続は終わりません

ここが、司法書士として特にお伝えしたい点です。

相続税がかからないと分かると、「相続手続はもう大丈夫」と思ってしまう方がいます。

しかし、相続税申告が不要でも、相続手続がすべて不要になるわけではありません。

たとえば、次のような手続が残ることがあります。

 

  • 不動産の相続登記
  • 預貯金の解約
  • 株式や投資信託の名義変更
  • 遺産分割協議書の作成
  • 自動車の名義変更
  • 空き家の管理や売却
  • 公共料金や固定資産税関係の整理

 

相続税申告は、税金の手続です。

 

一方で、相続登記や遺産分割協議は、財産を誰が引き継ぐのかを整理する手続です。

 

相続税がかからない家庭でも、亡くなった方名義の不動産があれば、相続登記の問題は残ります。

 

また、相続人が複数いる場合には、誰がどの財産を取得するのかを決めるために、遺産分割協議書が必要になることがあります。

 

不動産がある場合は相続登記の義務化にも注意

亡くなった方名義の不動産がある場合には、相続登記も確認が必要です。

相続登記とは、亡くなった方名義の不動産を、相続人名義へ変更する登記です。

 

令和6年4月1日から、相続登記の申請は義務化されました。

 

相続によって不動産を取得した相続人は、原則として、自分のために相続が開始したことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する必要があります。

 

正当な理由なく相続登記を怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

 

相続税がかからない場合でも、不動産を相続した場合には、相続登記が必要になることがあります。

 

つまり、次のように整理すると分かりやすいです。

 

手続 主な内容 相談先
相続税申告 相続税がかかるか、申告・納税が必要かを確認する    税理士
相続登記 不動産の名義を亡くなった方から相続人へ変更する 司法書士
遺産分割協議書    相続人間で財産の分け方を書面にする 司法書士・弁護士等   
預貯金解約 金融機関で相続手続をする 金融機関・専門家

 

相続税がかからないからといって、不動産の名義をそのまま放置してよいわけではありません。

古い相続を放置すると、相続人が増えたり、相続人の一部が亡くなったり、連絡が取れない人が出てきたりすることがあります。
時間が経つほど、相続登記が難しくなることがあります。

 

税理士と司法書士、どちらに相談すべきか

相続税申告が必要になる場合には、税理士への相談が必要です。

 

ただし、税理士にも専門分野があります。

法人の決算申告や顧問業務を中心に扱う税理士もいれば、相続税・贈与税・不動産評価などの資産税を中心に扱う税理士もいます。

 

特に、不動産が相続財産に含まれる場合は、相続税評価の確認が必要になることがあります。

 

相続登記では、「誰が不動産を取得するのか」を整理します。

 

一方、相続税申告では、「その不動産を税務上どのように評価するのか」が問題になります。

 

同じ不動産でも、登記と税務では確認するポイントが異なります。

 

中野司法書士事務所では、相続登記、遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更などを担当します。

 

相続税申告が必要になる可能性がある場合には、相続税申告や不動産評価に詳しい税理士と連携しながら、相続手続全体を整理して進めることも可能です。

 

税務申告は税理士が担当し、相続登記や遺産分割協議書の作成は司法書士が担当します。

相続税がかかるか分からない段階でも、不動産の名義変更や遺産分割の進め方とあわせてご相談いただけます。

 

相続税申告が必要か分からない段階で相談してよいか

相続税申告が必要かどうか、最初からはっきり分からないことは多いです。

たとえば、次のような段階でも相談できます。

 

  • 固定資産税の納税通知書が届いている
  • 亡くなった方名義の自宅がある
  • 預貯金の総額が分からない
  • 株式や投資信託があるかもしれない
  • 生命保険金を受け取った
  • 借入金や未払金がある
  • 相続人同士で誰が何を取得するか決まっていない
  • 税理士に相談すべきか司法書士に相談すべきか分からない

 

相談時にすべての資料がそろっている必要はありません。

ただ、次のような資料があると、状況を整理しやすくなります。

 

  • 固定資産税の納税通知書
  • 不動産の権利証または登記識別情報
  • 預貯金通帳
  • 証券会社からの書類
  • 生命保険に関する書類
  • 借入金や未払金の資料
  • 亡くなった方の戸籍
  • 相続人の分かる資料
  • 遺言書がある場合は遺言書

 

資料が不足している場合でも、何を集めればよいかを整理できます。

相続では、最初から完璧な資料をそろえることよりも、期限のある手続を見落とさないことが大切です。

 

FAQ

Q1. 相続税は遺産が少しでもあれば必ずかかりますか?

いいえ。相続税には基礎控除があります。

基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
相続財産の課税価格の合計額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税はかかりません。

ただし、財産の評価や特例の適用については専門的な判断が必要になることがあります。

 

Q2. 相続税がかからなければ、相続手続は何もしなくてよいですか?

いいえ。

相続税がかからない場合でも、亡くなった方名義の不動産がある場合には、相続登記が必要になることがあります。

また、預貯金の解約、株式や投資信託の手続、遺産分割協議書の作成などが必要になる場合もあります。

 

Q3. 相続税申告の期限はいつですか?

原則として、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

期限までに申告や納税が必要な場合があります。
申告が必要かどうか分からない場合は、早めに税理士へ確認した方がよいでしょう。

 

Q4. 相続税が0円でも申告が必要なことはありますか?

あります。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使うことで、結果として相続税が0円になる場合があります。
ただし、これらの特例を使うために相続税申告が必要になることがあります。

自己判断せず、税理士へ確認することをおすすめします。

 

Q5. 相続税申告は司法書士に依頼できますか?

相続税申告、税額計算、税務相談は税理士の業務です。
司法書士が相続税申告を代理することはできません。

司法書士は、相続登記、遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更などを担当します。

相続税申告が必要になる場合には、税理士と連携して進めることがあります。

 

Q6. 不動産がある場合、税理士と司法書士の両方に相談が必要ですか?

相続税申告が必要な場合は、税理士への相談が必要です。

一方、不動産の名義変更、つまり相続登記については司法書士の業務です。

不動産がある相続では、税務上の評価と登記上の名義変更の両方を確認する必要があります。
そのため、税理士と司法書士が連携して進めることが多いです。

 

Q7. 相続税がかかるか分からない段階でも相談できますか?

相談できます。

相続税がかかるか分からない段階でも、不動産の有無、相続人の状況、遺産分割の見通しを整理することはできます。

必要に応じて、相続税申告や不動産評価に詳しい税理士と連携して進めることも可能です。

 

まとめ

相続が発生したとき、相続税申告が必要かどうかを確認することは大切です。

相続税には基礎控除があり、遺産が少しでもあれば必ず税金がかかるわけではありません。

一方で、相続税がかからない場合でも、相続手続がすべて不要になるわけではありません。

亡くなった方名義の不動産がある場合には、相続登記が必要になることがあります。
預貯金の解約、株式や投資信託の手続、遺産分割協議書の作成などが必要になることもあります。

相続税申告は税理士の業務です。
相続登記や遺産分割協議書の作成は司法書士の業務です。

不動産がある相続では、税務と登記の両方を整理する必要があります。

相続税がかかるかどうかだけでなく、亡くなった方名義の不動産が残っていないか、遺産分割協議が必要か、相続登記をしなければならないかを確認しましょう。

 

 

中野司法書士事務所では、相続登記、遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更など、相続手続に関するご相談をお受けしています。

相続税申告が必要になる可能性がある場合には、相続税申告や不動産評価に詳しい税理士と連携しながら進めることも可能です。

相続税がかかるか分からない場合でも、不動産の名義変更や遺産分割の進め方とあわせてご相談いただけます。

手続の進め方や必要書類が分からない場合は、ご相談いただけます。
同じようなお悩みがある場合は、お気軽にご相談ください。

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